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産業用PCとは?民生用PCとの違いはなに?

産業用PCとは?民生用PCとの違いはなに?

公開日:2017年12月12日|最終更新日:2026年6月25日

こんにちは。ポートウェルジャパン・マーケティング担当の立原です。

ポートウェルジャパンは産業用PC・産業用マザーボードの専業メーカーとして、一般のユーザー様、いわゆるコンシューマー向けには販売をせず、産業用一本で法人顧客様のみに製品展開しています。

さて、一言に「産業用PC」と書きましたが、「インテル/AMD社製CPUを搭載」「Windows/Linuxなどの汎用OSが搭載されている」という点では家電量販店様やECサイトなどで販売されているPCと何ら違いがありません。
それでは、一体どこに違いがあるのでしょうか・・・?

産業用PC(IPC)とは?基本的な定義と役割

産業用PCとは、英語でインダストリアルPC(Industrial PC)と呼ばれ、主に製造現場やインフラ設備などで使用されることを前提に設計されたコンピューターを指します。オフィスや家庭で使われる一般的なパソコンとは異なり、過酷な環境下でも長期間にわたって安定して動き続ける設計が施されています。。

産業用PCの概要と主な目的

産業用PCの大きな目的は、システムや設備の停止を防ぐことです。工場の生産ラインや社会インフラのシステムは、一度停止すると甚大な損失や社会的影響を引き起こす危険性を秘めているのではないでしょうか。そのため、多少のコストをかけてでも高い信頼性と耐久性を備えた産業用PCが選ばれる傾向にあります。

長寿命の部品を採用し、故障のリスクを抑える工夫が随所に盛り込まれているのが特徴と言えるでしょう。導入を検討する際は、初期費用だけでなく運用保守を含めたトータルコストで評価することをおすすめします。機器の停止時間が短縮されることで、結果的に企業の利益を守るという重要な役割を果たしています。

民生用パソコン(一般向けPC)との決定的な違い

私たちが普段使っているパソコンは民生用PCと呼ばれており、数年ごとの買い替えを前提に最新の性能を追求しています。一方で産業用PCは、同じ仕様の製品を長く供給し続けることに重点を置いて設計されている点に違いがあります。

さらに、使用される部品の選定基準が大きく異なることにお気づきでしょうか。産業用PCは厳しい温度試験や振動試験をクリアした部品のみを使用し、組み立て後のテストも念入りに行われます。結果として、民生用PCよりもはるかに長い耐用年数を実現できるのです。一般的なオフィス環境とは異なる過酷な現場で運用することを前提としているため、筐体の素材や冷却の仕組みそのものが根本から見直された設計となっています。

産業用PCに求められる5つの特徴・メリット

産業用PCには、現場の課題を解決するためのさまざまな強みが備わっています。なぜ多くの企業が専用のパソコンを選ぶのか、具体的な特徴を理解しておきましょう。ここでは代表的なメリットを詳しく解説します。

過酷な環境に耐える耐環境性と堅牢性

製造現場では、夏の高温や冬の低温、さらには機械による強い振動が日常的に発生します。産業用PCは、こうした厳しい条件でも正常に動作するよう設計されています。たとえば、内部の基板を特殊なコーティングで保護したり、衝撃を吸収する構造を採用したりしている製品も少なくありません。

これにより、一般的なパソコンでは故障のリスクが高まるような過酷な現場でも、安定したパフォーマンスを発揮します。故障による生産ラインの停止リスクを大幅に減らせることは、大きなメリットと言えるでしょう。予期せぬトラブルによる納期遅れや損害賠償といった経営的なリスクを回避するためにも、高い堅牢性は欠かせない要素として認識されています。

部品の長期供給と充実した保守体制

システムを長く使い続けたい企業にとって、同じ製品が長期間手に入るかどうかは非常に重要なポイントと言えます。産業用PCメーカーは、特定のモデルを5年から10年にわたって供給し続ける体制を整えているのが一般的です。

万が一故障した際にも同じ部品で交換できるため、システムの再設計やソフトウェアの改修にかかる手間と費用を削減できるという恩恵を受けられます。専任のサポート窓口が設けられていることも多く、トラブル発生時の迅速な対応が期待できるのではないでしょうか。長期にわたって同一のハードウェア構成を維持できることは、システムの安定運用を担う担当者にとって大きな安心材料となります。

多彩なレガシーインターフェースへの対応

工場の設備には、何十年も前に作られた古い規格の通信機器が接続されているケースが珍しくありません。最新の民生用パソコンでは接続端子が省かれていることが多いですが、産業用PCはシリアル通信ポートなどのレガシーインターフェースを標準で搭載している製品が豊富にあります。

既存の設備を活かしながらパソコン部分だけを最新のものに入れ替えることができるため、設備投資のコストを抑える効果が期待できます。現場の状況に合わせた柔軟な拡張性が、産業用PCの魅力のひとつとなっていると言えるでしょう。

24時間365日の連続稼働を支える高信頼性

インフラの監視システムなどでは、深夜や休日を問わずシステムを動かし続ける必要があります。産業用PCは、24時間365日の連続稼働を前提とした厳しいテストをクリアした製品が多く存在します。

電源ユニットや記憶装置といった故障しやすい部品には、特に高い耐久性を持つサーバーグレードのものが選ばれることをご存知でしょうか。長時間の稼働でも熱がこもりにくい設計になっているため、突然のシャットダウンやデータ消失のリスクを最小限に抑えることが可能となります。

防塵・防水・ファンレス設計による運用負荷の軽減

パソコンの故障原因として多いのが、冷却ファンから吸い込んだホコリの蓄積だと言われています。多くの産業用PCは、ファンを使わずに本体の金属ケース全体で熱を逃がすファンレス設計を採用しています。

物理的に動く部品がないため故障しにくく、粉塵が舞うような工場でも安心して設置できるのが強みと言えるでしょう。防塵や防水に関する国際規格を満たした製品も多く、定期的な清掃やメンテナンスの手間を大きく省くことができます。現場の担当者にとって、管理の負担が減ることは喜ばしいポイントではないでしょうか。

ポートウェルジャパンの産業用PCが選ばれる4つの理由

ここまで産業用PCの一般的なメリットをお伝えしてきましたが、ポートウェルジャパンがお客様から選ばれる理由はそれだけではありません。

産業用PC専業メーカーだからこそ実現できる、さらに高次元の信頼性とサポート体制について、4つのポイントに分けて詳しくご説明いたします。

我々が販売している産業用PCは、FAPC(Factory Automation PC)やIPC(Industrial PC)、産業用コンピュータや工業用PC、組み込みコンピュータやエンベデッドPCなど様々な呼ばれ方をしますが、民生用PCと比較し下記の特長を持っております。

 ①長期安定供給
 ②高信頼性
 ③耐環境性
 ④解析対応

①長期安定供給

基板上のパーツ一つ一つに長期供給品を採用。最低5年供給、製品によっては15年供給が可能です。産業用途向け製品は「同じものを、長く」供給することが必須のためです。

②高信頼性

ポートウェル製のマザーボードについては、コンデンサ一つからポートウェルが認定したベンダーからのみ購入をし、さらに部材の入荷試験も実施しております。部品レベルでの信頼性を高めることで、ボード全体の信頼性を高めております。

製造工程内での試験にも力を入れており、ボード製品は基本的に全数動作試験を実施しております。台湾ポートウェル本社出荷前には更に抜き取り試験を実施し、ポートウェルジャパンに入荷した際に全数入荷試験を実施。ポートウェルジャパンにてPCの組み込み・OSのインストール作業後、再度動作確認やエージング試験を実施してから出荷することで、お客様着荷不良ゼロを目指しております。

③耐環境性

粉塵の多い環境や振動の多い装置内や車載、屋外のデジタルサイネージなど、あらゆる環境でご活用頂いている弊社の産業用PCは、耐環境性の高さも特長の一つです。ゼロスピンドル構造の完全ファンレスPCやIP65準拠のパネルPC、-40℃~85℃の動作温度をサポートする製品など、様々な製品をご用意しております。

また、台湾ポートウェル本社建屋内に試験ラボを所有しており、防水試験、防塵試験、振動試験、落下試験などの環境試験、EMIやESDの電磁波関連の試験を社内で実施可能です。(要相談)


<製品例>

▶ 8種類の海外認証規格を取得したグローバル産業用PC|RS4U-IC1

▶ 業務用タブレットPC|【PT101-ADL】【PT101-RPL】

▶ 産業用ラズベリーパイ(ラズパイ)|KUBER-1000

▶ 小型ファンレスPC|LYNX-8110

▶ 拡張性・インターフェイス豊富なファンレスPC|WEBS-45J3

④解析対応

コンシューマー向けPCメーカーは、基本的には不具合の解析は行わず、交換か修理のみで原因追求やレポート等は無く対応を終了することがほとんどです。一般家庭で使用する分には問題なく動作するものが戻ってくれば問題ないですが、産業用ではそうはいきません。どこが壊れたのか、なぜ壊れたのか、他の製品にも波及するのかなど、今後も安定稼働を続けるために追求が必要です。

ポートウェルジャパンでは、ジャパンオフィスの技術部にて一次解析を実施しています。日本国内で解決出来る問題は日本国内で完結させ、スピーディにお客様のもとへ良品をお戻しいたします。台湾本社ラボを使用した解析や修理が必要な場合は台湾へ返却、しっかりと検証を実施致します。
どちらの場合も原因もしくは推測される要因と修理内容を記載したレポートを添付してお戻し致します。

産業用PCにおける2つの課題

このように、多くの利点がある産業用PCですが、課題もございます。

 ①価格が高い
 ②納期がかかる

①価格が高い

店頭やインターネットで購入出来るコンシューマー向けPCと比較すると、同じ仕様でも価格は高くなります。

民生品より高い価格には、理由があります。

一つ目は、民生用製品よりも高品質な部品を採用しているためです。24時間365日動作前提での設計をしているため、それに耐えうる部品を搭載する必要があります。

二つ目は、少量多品種生産を行っているためです。一般的な民生用マザーボードはメーカーの作りやすい仕様で一度に数万枚のボードを一気に生産し、各店頭で在庫をし販売をしています。それに対し弊社では、お客様のご要望仕様に合うように製品を多数ご用意し、小ロットでの生産を行っております。


【関連記事】産業用PCの価格帯 ~数万円から100万円超えまで~ | 産業用PC、マザーボード、業務用タブレットのポートウェルジャパン株式会社

②納期がかかる

コンシューマー向けPCは、基本的には各量販店にて在庫を持ち、その場で購入し持ち帰ることが出来ます。
弊社のような産業用PC製品は、基本的にはご発注頂いた後、ある程度の納期を頂戴しております。

一つの理由として上記同様、小ロット生産を行っていることが挙げられますが、他にも理由があります。
もう一つは、お客様から仕様をお伺いしてその通りの製品をご提案し、お納めしていることです。決まった構成で大量生産される民生品とは異なり、一台一台お客様のご要望通りに部材を用意し、オーダーメイドでPCを組み上げております。そのため部材調達から製造まで、ある程度のお時間を頂いております。


産業用PCを選ぶ際の重要なポイント

いざ産業用PCを導入しようと思っても、さまざまなメーカーから多くの製品が販売されているため、どれを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。ここでは、自社に最適な製品を見つけるための重要なチェックポイントを解説します。

設置環境の条件を明確にする

最初に確認すべきは、パソコンを設置する場所の環境です。周囲の温度は何度から何度まで変化するのか、強い振動は発生するのかを事前に計測しておきましょう。

さらに、粉塵や水滴が飛ぶ環境であれば、防塵・防水規格に対応したファンレスモデルを選ぶ必要があります。カタログのスペック表を見るだけでなく、実際の現場の状況を詳細に把握することが失敗を防ぐ第一歩となります。

必要なOSとインターフェースを確認する

次に、システムを動かすために必要なオペレーティングシステムと、周辺機器をつなぐためのインターフェースを整理します。特定の古いソフトウェアを動かすために、旧バージョンのOSが必要になるケースも少なくありません。

また、カメラを何台接続するのか、シリアルポートはいくつ必要なのかをリストアップしておくことも大切です。将来的に機器を追加する可能性も考慮し、拡張スロットに余裕のあるモデルを選ぶと安心できるはずです。用途に合わない製品を選んでしまうと、変換ケーブルを多用することになり、かえって接続不良の要因を増やしてしまうおそれがあるため慎重な確認が求められます。

【関連記事】産業用PCによく採用されているOSは?Windows 10?Linux? | 産業用PC、マザーボード、業務用タブレットのポートウェルジャパン株式会社

サポート体制と供給期間をチェックする

製品のスペックだけでなく、メーカーのサポート体制も忘れずに確認してください。故障した際の修理対応期間や、代替機の貸し出しサービスがあるかどうかは、トラブル時の復旧スピードに直結します。
同じモデルがいつまで販売されるのかという供給期間も確認し、自社のシステムの運用予定年数と合っているかをすり合わせることをおすすめします。信頼できるメーカーを選ぶことが、長期的な安定稼働への近道と言えるでしょう。

まとめ

 ここまでで紹介した産業用PCの特徴を整理すると下記4点になります。

 ①同一製品の長期供給が可能
 ②価格が高い分、信頼性が高い部品を採用しており故障が少ない
 ③産業用途向けのため、耐環境性に優れる
 ④納期がかかるが、希望通りの仕様の製品が手に入る

数多くのメリットがある産業用PC、是非ご検討ください。


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