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エッジAI開発でラズパイを使用するメリットや活用例をご紹介!

近年、AI技術の進化により、膨大なデータをクラウドに送信せずともリアルタイムに処理できる「エッジAI」が注目を集めています。
その中でも、小型で低価格ながら高い拡張性と柔軟性を持つ「Raspberry Pi(ラズパイ)」は、エッジAI開発の現場で存在感を高めています。本記事では、エッジAIの文脈におけるラズパイ活用の利点や注意点、具体的な応用事例、さらに関連製品として注目されるKUBER-1000、AIB-2941Mについて解説します。
Raspberry Pi(ラズパイ)とは?
Raspberry Pi(読み:ラズベリーパイ)は、イギリスのRaspberry Pi財団によって開発された、教育用途やプロトタイピングを目的とした小型コンピュータです。名刺サイズの筐体ながら、HDMI出力、USBポート、Wi-Fi、GPIO端子などを備えており、画像処理やセンシングデバイスとの接続など多岐にわたる応用が可能です。低価格で入手可能である点も、個人から企業まで幅広い層に支持される理由の一つです。エッジAI開発で活用するメリット

また、TensorFlow LiteやOpenVINOなどの軽量AIモデルが動作可能であるため、AIモデルのローカル実行が容易です。こうした利点から、開発スピードの向上やPoC(概念実証)での迅速な検証にも貢献します。
ラズパイ活用の注意点

まず、CPU性能やメモリ容量は高性能なワークステーションや専用AIチップ搭載デバイスに比べて制限があるため、大規模なAIモデルの実行や高フレームレートの画像処理には適しません。
また、長時間稼働や過酷な環境下での利用には対策が必要です。市販のラズベリーパイは限定的なサポートしか提供されないため、実証実験から実際の運用へ移行する際は注意しましょう。電源供給の安定性、放熱設計、OSやライブラリの更新管理といった運用面も重要な要素です。これらを踏まえ、適切なスケーリングやシステム設計が求められます。
【エッジAI】ラズパイの活用例
ラズパイを活用したエッジAIの実例として、以下のようなユースケースが挙げられます:• 小売店舗における顧客行動分析:店内に設置したカメラとAIモデルにより、来店者数のカウントや滞在時間の解析をラズパイで実行。
• 農業分野での作物モニタリング:画像認識を用いた病害虫検出や成長状況の記録を現地で処理し、通信量を削減。
• 製造現場での異常検知:ライン上の製品画像をリアルタイムで処理し、不良品の早期検出を実現。
いずれも、クラウドとの連携を必要最小限に抑えることで、セキュリティリスクの低減とレスポンスタイムの最適化が図られています。
産業用ラズベリーパイ】KUBER-1000

ポートウェルジャパンの産業用ラズパイ「KUBER-1000」が注目されています。
本製品は、Raspberry Pi Compute Module 4(CM4)を搭載し、ラズベリーパイとの互換性を持ちながら産業用途向けの仕様を実現しています。
金属製の堅牢な筐体、USBではなくDC電源入力、2つのギガビット・イーサネットポートなど、ニーズの多いスペックを盛り込んでおり、工場、自動車、屋外設備など多様なシステム環境への導入が進んでいます。
国内に在庫保有しており、短納期かつ安価で入手可能です。
▶「KUBER-1000」製品ページはこちら
産業用エッジAIデバイス】AIB-2941M

同じくポートウェルジャパンの産業用ラズパイ「AIB-2941M」もご紹介いたします。
本製品も、KUBER-1000同様Raspberry Pi Compute Module 4(CM4)を搭載し、ラズベリーパイとの互換性を持っています。
AIB-2941Mは比較的拡張性が高く、DIOやCOMポートを備え、内部には3つのM.2スロットを搭載。AIアクセラレーターモジュールの搭載も可能です。
▶「AIB-2941M」製品ページはこちら
エッジAI開発でラズパイを活用してみては
エッジAIの可能性が拡大する中、手軽に始められるプラットフォームとしてラズパイは大きな魅力を持っています。小規模な実験から商用展開まで、ラズパイを活用した開発はその柔軟性とコストパフォーマンスにより多くの開発者や企業に支持されています。今後は、より高性能なエッジデバイスとの組み合わせや、AIモデルの最適化手法の進化により、ラズパイの役割もさらに広がっていくことでしょう。フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。
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