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なぜ今”FPGA”が注目されているのか。CPUとの違いは?

なぜ今”FPGA”が注目されているのか。CPUとの違いは?

2018年8月30日

こんにちは。事業開発部の立原です。

 本日は、CPUボードや産業用PCをメインとしてきたポートウェルジャパンがこれまでと違った新基軸として打ち出している「FPGA」についてご紹介します。

-目次-
 1. FPGA注目の背景
 2. FPGAとは
 3. FPGAとCPUの比較

1. FPGA注目の背景

 みなさまもここ数年よく耳にされていると思います、「IoT」という単語の急速な流行から始まり、現場で収集したデータをクラウドにアップロードして処理する「クラウドコンピューティング」がブームとなりました。

 様々なプロダクトが様々なデータをリアルタイムに収集しクラウドにアップロードする時代になり、データ量の増加が注目されはじめました。インテルの試算によると、自動運転車は一日に4TB以上のデータを生成すると言われています。インターネットに対応した航空機が5TB、スマートファクトリーに至っては1PB(1ペタバイト=1024TB)近くのデータを生成すると言われています。

 インターネット全体のデータ通信量は2年ごとに倍増していると言われています。これほどにも大量のデータが生成され通信されていく中で問題となるのが、帯域不足とクラウド側の処理能力不足です。特に自動運転車などリアルタイム性が重視される用途では喫緊の課題として考えられています。


 そこで近年注目されているのが、「エッジコンピューティング」という概念です。


 データ収集を行うセンサー類がまず最初にデータを送るゲートウェイ等のエッジ部である程度のデータ処理を行い、必要な分だけデータをクラウド側にアップするという考え方です。
 これまでのクラウドコンピューティングとは異なり、全てのデータをクラウド側に送らないため帯域の確保につながると共に、現場に近いエッジ側で必要な処理は済ませてしまうためリアルタイム性も確保され、非常に効率が高まります。

 ここで一つの課題となるのが、エッジ側の処理能力です。これまでのクラウドコンピューティングでは、エッジデバイスはデータを媒介する単なるゲートウェイであったため、高い処理速度は求められて来ませんでした。これがエッジコンピューティングとなると、エッジ側でのデータ処理やデータの取捨選択、クラウド側が扱いやすいようなデータへの加工など、エッジデバイスへの負担がこれまでよりも大きくなるため、処理能力の向上が求められるようになりました。

 クラウド側の処理能力不足解消、エッジ側の処理能力向上、どちらにも大きく寄与出来るのが「FPGA」なのです。

2. FPGAとは

 FPGA(Field Programmable Gate Array)の略で、Field=現場でプログラム可能な集積回路になります。大きな特徴は「現場で」「後から」回路を書き換えることが出来ることです。
 様々な機能が追加されるIoT/エッジコンピューティングでは、後から回路変更を行い機能の追加変更が行えるFPGAの優位性を強く感じることが出来るかと思います。またFPGAは、単体で動作するのはもちろん、CPUと組み合わせて使用することも可能です。

 ポートウェルジャパンでは、単体で使用可能なSBCタイプやCompactPCIのボードと、CPUと組み合わせて使用することを想定したPCI-Expressカードタイプの製品どちらもご用意しております。
 現在推進しているのは、CPUと合わせて使うPCI-Expressカード製品です。

3. FPGAとCPUの比較

 CPUとの大きな違いは下記になります。

  ⅰ. 柔軟性が高い
  ⅱ. 効率が良い
  ⅲ. レイテンシが小さい(低遅延)
  ⅳ. 低消費電力

 ⅰ. 柔軟性が高い

 FPGAは「ハードウェア」ですが、ベンダーから提供されているIP (Intellectual Property)を組み合わせたり、自社開発を行ったり、ソフトウェアをカスタマイズするかのように回路を変更出来ます。同じFPGAを利用し、遺伝子分析もエンコードもビッグデータ解析もセキュリティ制御にも使用することが出来ます。


 ⅱ. 効率が良い

 最近のCPUはマルチコアが主流なので並列処理が可能ですが、コア全体を使ってしまうため、不要な部分も並列化の処理が必要になります。FPGAの場合は、必要な処理だけプログラムし、無駄なく並列処理が出来るようになり効率が高まります。


 ⅲ. レイテンシが小さい(低遅延)

 非常に優れたCPUでもレイテンシは50マイクロ秒程度発生してしまいます。FPGAは突き詰めれば1マイクロ秒も実現可能です。
CPUは汎用のOSやUSBやPCI-Express等の汎用バスを経由して通信するため、ビジー状態になると遅延が発生しますが、FPGAはデータソースにダイレクトにアクセス出来ることに加え、ロジックが予め組み込まれているので、必ず一定の速度で応答が返ってきます。


 ⅳ. 低消費電力

 FPGAは、ⅱにて示した処理効率の良さをご覧いただくとわかるように、CPU/GPUと比較して同じ処理をした際に使われる回路領域が少なく済み無駄なく処理を行えるため、自ずとエネルギー効率も良くなります。
 これまでCPUだけで処理をしていたところにFPGAを追加することで、処理能力の向上はもちろん、CPUで処理していた部分をFPGAにオフロードさせることで電力効率が高まり、結果として消費電力を低く抑えることが出来ます。
 これは電力効率が重視されるデータセンターにおいて、非常に有益なソリューションとなります。


 ポートウェルジャパンではFPGAアクセラレーションカードと称し、Intel® Arria® 10搭載のPCI-Expressカードをご提案しております。
 自社でFPGAのプログラミングが可能なお客様にはカードのみでの販売ももちろん可能ですが、IPの作成やプログラミングが可能な協力会社様とのソリューション提案の体制も整えておりますので、ぜひ一度実現したいこと、お悩み事などお気軽にご相談ください。

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※PDFファイル/全4ページ(約1.2MB)


機械学習・ディープラーニングに適したGPUを搭載した産業用コンピュータの紹介記事も掲載しています。合わせてご覧ください。



※参考サイト※
Why use an FPGA instead of a CPU or GPU? – Netherlands eScience Center (リンク)
なぜ「FPGA」が必要なのか? そもそも「FPGA」はITインフラにどんなメリットをもたらすのか? – @IT (リンク)


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